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父と医療と信仰

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父と医療と信仰

父と医療と信仰

2024/11/23

今日、母から伝えられた情報になります。

 

父が、健康が思わしくなく、病に伏せっているという話でした。

 

私は、今日中に、父のお見舞いに行こうと考えています。

 

人間、生身ですから、いずれ、行くべき道を行くのですよ。

 

少し、父について書こうと思います。

 

 

私の父は、開業医です。

 

長女、長男、次男、三男、末弟の五人を設けました。

 

このうちの長女、我らが長姉は、享年11歳で小児白血病で亡くなっています。

 

私の父は、この死を悼み、自ら借金を背負って病院を開業しました。

 

ただし、父は、姉を喪ったその日に、共産主義者となりました。

 

神様なんて、居るもんか、そういう思いが強くあったのでしょう。

 

 

対し、姉が亡くなったその時、私は2歳8ヶ月でした。

 

まだ、小さい子供ながらに思ったのです。

 

「あれ? どんなに治療を受けたって、人間死ぬんだったら、何の為の医療なん?」

 

「え? 人間って死ぬん? じゃあ、何の為に生まれて来るん?」

 

私は、全く同じ日に、信仰者の道を歩み始めたのです。

 

 

何の為に生まれて、何をして喜ぶ、分からないまま終わる、そんなのは嫌だ。

 

忘れないで夢を、こぼさないで涙、だから君は飛ぶんだ、どこまでも。

 

 

アンパンマンのマーチの一節です。

 

小さい子供だった、私に、医療の可能性がどうのとか、小児白血病は生まれながらの癌で、20歳にもならずに亡くなってしまうとか、そんな事はよく理解できなかったのです。

 

ただ、私に分かったのは、人間が死ぬ、という事です。非常に重要な事です。

 

私は、その後30数年間に渡って、死への恐怖に怯え続ける事になるのです。

 

そして、いつか必ず死ぬのであれば、その死ぬまでの時間を引き延ばしたところで、根本的な救済とはならない。

 

私は、その後、20歳時点で、キリスト教会の洗礼を受けました。

 

慰め、励まし、癒し、恵み、希望、そういう信仰に、私は賭けたのです。

 

 

父は、医療技術に対する信仰を持っているのです。

 

医学の進歩によって、人間は死の恐怖から解放されるのである、と。

 

その人の死の現実と戦う事が、医師の使命である、そのような信仰です。

 

 

でも、医者よ、自分を治せ、そういう古いことわざがあります。

 

そうなのです。

 

どんなに、医者が手を尽くして、延命治療を施すとしても、やはり死は免れません。

 

それは、医師本人が、病魔に取り憑かれた時に、気付く筈の事なのです。

 

その段になって、人間なんて、死ねばリン酸とカルシウムになるんだとか、共産主義的なことを言っても、何の救いにもなりません。

 

 

父は、私の話に耳を貸すでしょうか?

 

多分、耳を貸さないと思います。

 

ただ、慰め、励ますのが信仰者の務めです。

 

今晩にでも、父のお見舞いに行きます。

 

 

主が、父の病魔を追い払って下さいますように。

 

尊い主、イエス・キリストの名により。

 

アーメン。

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